中堅外資にとって、キャリア研修開催は難関です。
そもそもマネジメントにはキャリア教育に関する理解もありませんし、社員をそこに拘束する余裕もないのです。
だからこその半日研修です。
キャリア研修の教科書
最初はセルフキャリアドックをイメージしていましたから、私ももちろん「セルフキャリドック入門」を読んでいました。
この本は必読かと思います。セルフキャリアドックでなにをやるべきかなんて、調べても出てこないですし。
まあ、読んでも難関でした。まず2日間の研修を企画できないんです。
企画しても上司に認めてもらえない。認めてもらっても参加者が集まらないだろう。
だって、みんな本当に忙しいんですから。
なので、まずはこの2日間を半日にまとめる、これが目標になりました。
なんせ内製なので、一度半日研修が認められたら回数はこなせるわけです。
何か充実させたい内容があったら、別途開催すればいい。そう思って、まずはシニア用のキャリア研修の企画書を練りました。
その見出しが次のとおりです。
- お金の話
- 会社が提供できる情報
- 健康の話
- WILL/CAN/MUSTの話
- どのように自分で考えていくか
全部を網羅すると長くなるので、ここでは全体像をさらっと紹介したいと思います。
お金の話
教科書ではお金の話はおつまみ程度なんですけど、わたしはここをつかみに持ってきました。
キャリア研修としては邪道かもしれないけど、ぜったい大切だと思ったし。FP2級をとったことも影響してると思いますし、AFP取得のための講習を受ける中で、ライフプランシートまで作成することの重要性を思い知ったこともある。
なので、一番最初にお金の話をしました。
会社が提供できる情報
このパートは内製するからこそできる、中堅・中小の人事としては、そして企業内キャリアコンサルタントとしても腕の見せどころじゃないかと思うし、実は社員が一番欲しい情報だと思うんですよね。
私が説明したのは次のような内容です。
- 自社の定年制度
- 自社の再雇用制度
- 自社の退職金制度
- 公的年金制度
- 退職後の健康保険制度
- 失業保険をお得にもらう
- 住民税に気をつけろ
ここは会社の事情などによって、いくらでも膨らませることができるパートではないかと思います。
セミナー主催者としては勉強必須
健康の話
どんなに健康でも、40歳を超えると人間ドックの結果になんらかの再検査項目とか、要観察項目がでてきますよね。仕方ないんです。それが年を取るということ。でも、幸福なシニアライフを送るためには、何にもまして健康が大切!
なので、健康の話は外せません。
会社の衛生管理担当と連携をとって、有益な情報をもらうという手もあると思います。
WILL/CAN/MUST
キャリア研修では必須の WILL/CAN/MUSTの概念です。キャリアコンサルタントの中で意見交換すると、理想論だよねとか意見も出てくるのも確かなんですよね。
ただ、相手はキャリア研修を受けたことのないシニアなので構いません。さらっと概念を説明し、「人生後半戦のライフキャリアシート」を書いてもらいます。
まとめ
前項までは棚卸しです。
でも、キャリアプランっていうのは、材料を目の前にして、これから何を作ろうかなって考えることじゃないですか。
でも実際のところ、それはいちばん難しい。
伝えることも難しい。
キャリア研修を作っているこちらとしても、いちばん悩ましく、今後もアップデートしていくところだなと思っています。
とはいえ、今ある材料で考えられることをどうやって考えるか、というツールだけはお渡しする。
という感じで、研修は締めくくっています。
長くなりましたが、今後、これらの内容について細かく説明できればと思います。